お金について、すこし学ぼう。

お金をまなぼう

モノやサービスを売って、どうやってお金をもうけるかというと、「儲け」をつみあげていくことです。

[st-point fontsize=”” fontweight=”bold” bordercolor=””]儲けとは、利益のことです。[/st-point]

 

例えば、市場で、1房120円のバナナを5房買いました。

これを1房200円でお客さまに売りました。

 

お客さまに売った金額が、売上(うりあげ)、

売上にかかった仕入れを、売上原価(うりあげげんか)といいます。

 

モノやサービス(商品)を売ったときに生み出されるのが粗利(あらり)、そして経費を引いた後の利益をつみあげて、儲けになっていきます。

 

1.粗利・粗利率、原価率

  • 粗利(あらり)ってなに? どうやって計算するの?

粗利とは、販売されたモノ、サービスから生み出された利益のことです。

 

上のバナナの例で計算してみましょう。

 

売上    200円x5=1000円

売上原価  120円 x 5 = 600円

差額の400円が粗利になります。

 

  • 次に、粗利率(%)は、どうやって計算するのでしょうか?

粗利益を出すには、粗利÷売上高で計算します。

バナナの例でいうと、400÷1000=0.4、つまり40%の粗利率です。

 

反対に、売上に対する仕入れ原価の割合を原価率といいます。

これは、600÷1000=0.6  60%と計算します。

粗利率を先に求めていれば、100%-40%=60%ということになります。

 

  • 例えば粗利率20%とれるようには、売値はどうやって計算するのでしょうか?

何かを売りたいときに、利益がどのくらい出るように売るか考えますね。

仕入れ価格(原価)が、1000円として、粗利率20%とるように、売値を決めるには、

1000÷0.8で計算します。つまり、1250円ということになります。

 

  • 補足:8掛けってなに? どうやって計算するの?

再び市場にいったところ、バナナを8掛けで売ってくれると言われました。

8掛けという場合は、もとの仕入れの80%ということで、2割引ということです。

 

その場合は、一個120円のバナナが、120ⅹ80%の96円となります。

 

200円で、5個販売した場合、粗利率が52%になり、通常仕入れの40%より12%粗利率が増えました。

 

売上 200ⅹ5=1000円

原価 96x5=480円

粗利 520円   粗利率  52% (520÷1000)

 

2.利益の見方

 

実は、バナナを売るのに、電車賃が200円かかりました。

ほんとうの利益を知るには、バナナを売って得られた粗利から、さらに、経費を引く必要があります。ここで出た利益が、営業利益です。営業利益というのは、本業で得られた利益のことをいいます。

 

売上    200円x5=1000円

売上原価  120円 x 5 = 600円

粗利益         400円

 

経費          200円

営業利益        200円

 

利益率は、営業利益 200割る 売上高1000の20%と計算します。

 

3.限界利益や損益分岐点から、赤字にならない売上ポイントを理解しよう

 

バナナをほしいというお客さんが沢山いたので、バナナをもっとたくさん仕入れることにしました。たくさん仕入れるなら、6掛けでいいよと言ってくれました。

120x0.6で72円の仕入れとなります。

 

バナナを並べる台車を借りることにしました。月4000円です。

100個仕入れて100個売った場合、利益は8,800円になります。

 

売上 200円 x 100  = 20,000

原価  72円 ⅹ100 = 7,200

経費          4,000

利益          8,800

 

でも、毎月100個売れるとは限りません。

 

計画して利益を出していくには、限界利益(げんかいりえき)を知ると、目安になります。

別の言い方で、貢献利益(こうけんりえき)とも言います。これは、管理会計のモノの見方で、損益計算書には現れません。

 

費用には、固定費(こていひ)と変動費(へんどうひ)があります。

固定費は、給与や、オフィスの家賃など、売上の増減には関係なく、かかる費用です。変動費は、売上の増減に比例してかかる原価や費用です。

 

この場合、バナナは、ひと房あたりの単価があるので変動費、台車は、売上に左右されず、毎月一定なので、固定費です。

 

限界利益は、売上から変動費を引いたものです。

バナナ一房あたりで計算すると、200-72で、限界利益は128円。

固定費を回収できるポイントを損益分岐点といい、固定費をマイナスして利益がゼロになるポイントです。

 

限界利益128円x〇〇房 – 4000= 0

固定費回収するには、31.25房より多く売れば、利益が出るということです。

32房売れば、なんとか利益が出て、たくさん売れば売るほど、固定費を回収できることになります。

売上  200 x 31.25房 = 6,250

-)変動費  72  x  31.25房 = 2,250

限界利益    128             4,000

-)固定費  4,000          4,000

利益                           0

 

この6,250円が、損益分岐点売上高で、計算式を整理すると

損益分岐点売上高=固定費÷(1-(変動費÷売上高*

 

計算式をまとめておきます。

 

限界利益=売上高―変動費         200-72=128

限界利益率=(売上高―変動費)/ 売上高  (200-72)/200=0.64

変動費÷売上高は変動比率                  72÷200=0.36

 

【おまけ】

財務諸表の損益計算書について、補足しておきます。

 

利益には、5つの種類があります。

上の、売上総利益(粗利益)、営業利益までが、本業の活動で得られる利益です。

営業外や特別利益/損失、税金を引いて、最終的な純利益が計算されます。

[adsense]

◆損益計算書のポイント

 

損益計算書の基本的な構造と項目を理解しましょう。

 

 

売上高  (本業の売上)

-)売上原価 (仕入れ:売上にかかった原価)

A  売上総利益 (粗利益)

-)販売費および一般管理費 (経費、オフィス家賃など)

B  営業利益  

+)営業外収益 (預金利息など、本業以外の利益)

-)営業外費用 (借入金利息、本業以外の費用)

C  経常利益

+)特別利益  (不動産売却益など、本業と関係なく、突発的に発生した利益)

-)特別損失  (不動産売却損、火災による被害など)

D  税引前当期利益 

-)法人税等

E  当期純利益