コロナ禍でも売上がぜんぜん落ちない店の共通点って!?

コロナ禍の第二波が年内にくる、と言われていますね。(ひょっとしてもう来てる?)

その時のために! わたしがこの3月~5月のコロナ禍ピークの中で学んだことをお伝えします。

4月、大阪で休業要請(時短要請)期間中によく行く飲食店に行ったら

「おおっ~ この時期によく来てくれた~!」みたいな。

そして席に座ったらすぐに「ちょっと聞いてくださいよ!」となります

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女将 「聞いてえ~な!ほんまお客さん入ってけえへんねん」

わたし「入ってけえへんって、おれも客やんか。そやけど、おしぼり出す前に愚痴かい!」

女将 「時短要請って言われてもな~ 夜の8時に閉めろって、中学生相手にしてるんちゃうねんし。居酒屋は夜8時からが勝負やねんで~」

わたし 「わかってるやん。そやけど、要請は要請で強制と違うねんから、それで経営的にやっていかれへんねやったら通常時間通りやっていかなしゃあないやん。大きい声で言えんけど」

女将  「そうやんな~ 要請やしな~ あたしはフェアリーの妖精やけどな~(^^)」

わたし 「ああっ~ それこそ大きい声で言われへんな~ (-_-)」

女将  「えっ?なんちゅうた?まあええけど。 そやけど、こんなひどい状況やけど、ちゃんと知事さんの言うこと聞いてたら支援金が出るらしいから、まあそれはそれでええねん」

わたし 「どないやねん!」

4月は、現在あるいは過去のお客様の飲食店をひとつずつ回ってみたのです。

なぜって?

「今は飲食店、コロナでたいへんやろしな~」と思って気になったからです。

わたしの事務所のある谷町四丁目周辺、自宅のある阿倍野区西田辺周辺・そしてわたしのお客さんの多いキタとミナミ 全部で20店舗くらいに行ったでしょうか。

いくつもまわった結果、すごーく衝撃を受けたことが。( ゚Д゚)

すべての店の売上が激減してると思ってたので激励に行こうと思って回ったのですが、

売上が全然変わってない(減ってない)店が4店舗もあったんですよ!

えっ?どんな特殊な業態かって?特殊じゃありません。

・ママさんがやってるミナミのダイニングバー

・大将がやってる西田辺のうどん屋さん

・女将さんがやってる谷四の蕎麦居酒屋

・大将がやってる大国町の居酒屋

ね、全然特殊じゃないでしょ?

他の十数店舗の店が軒並み50%以上の売上減少で嘆いてるにもかかわらず

この4店舗は売上が全然落ちてなかったのです!

不思議ぃ~( ゚Д゚)

なぜ落ちてないのか?

いろんな角度から大将や女将さんとカウンター越しにいろんな質問してその謎が解けました。

■大将や女将さんと人間関係がしっかり出来てる常連さんの割合が大きいところはまったく売上が減ってない。

■料理・メニューで勝負、あるいはコスパで勝負しているところは軒並み激減している

ということです。

新規のお客さんはどちらのパターンの店も皆無。増えてません。

決定的な違いは常連さんです。

大将(女将)としっかり人間関係が出来てる場合、常連さんは・・・

「今が客少なくて大将(女将)は困ってるやろな~ こういう時こそ行ったろ」あるいは「今客少ないはずやから、大将(女将)とたくさんしゃべれるやん。ラッキー、行こっ」みたいな考えになってくるようなのです。

大きい声では言えませんが、大将の話がおもしろいことで人気の大国町の居酒屋さんなんて、常連さんから「よく行ってるほかの店がみな休んだり時短し出した。この店来たら2軒目とか行くのはやめてずっと居るから、もっと時間長くやってくれ~」なんてお客さんの要望もあったとか。

そんなことで営業時間延ばして結果的に以前より売上がかなり増えた、なんて店もありました。

でも・・・

料理自体や安さだけで勝負してると、常連さんでもなかなかこうはならない。

「コロナ終息したらまた気が向いたら行ったらええやん」くらいにしか思わないようです。

そして・・・

不思議なことにどちらのパターンの経営者もそれが原因ということに気が付いてないことがほとんどです。

  • 人間関係がしっかり出来てる店のパターン
    お客さんを心地よくさせる会話は自然に出来てしまってるし、まして自分の魅力に気 がついてない。

「こんな時でも来てくれるとはありがたいことや~」とひたすら常連さんに感謝する。

  • 料理や値段で勝負してきた店のパターン
    「こんな状況、どうしようもないやん。そやけど、なんでこんな目に合わんとアカンねん。政府が早くなんとかしてくれ~!」とひたすら周りにグチを言い続けている

どちらも理由があって今の経営状況になってるとは思ってないのです。

仮にわたしが飲食店経営してたとしても②のパターンになってたでしょうね~

だって今回20店以上の店舗をまわってはじめてこういうことに気が付いたんですから。

飲食店のことばかり述べましたが、わたしが知ってるエステやリラクゼーションや美容室も同じでした。

「人」に付いている(ファン化してる)ところは「いろんなストレスがたまってる。話したことがたくさんある。こういう、人となかなか会えない時期だからこそ、オーナーに愚痴を聞いてもらいたい」というお客さんが多いことがわかりました。

経営者としっかり人間関係が出来てるお客さんが多いところは行く頻度は減らない、結果売上は変わってないのです。

そして、こういうリラクゼーション系の業態のお店でも、コスパで勝負している、安さで勝負している、というところは軒並み売上激減していました。

う~ん、結局「人」かぁ~

人間力を上げる、って考えるとすごく難しい~

「お客さんに常におもしろい話をする」なんてのも急には無理ですよね~

でも「お客さんにちょっとした気遣いして声をかける」とか「話を聴いてあげる」とか

「前回来てもらって話したことを覚えといて、その後どうなりました?と話題に出す」

なんてことくらいなら誰でもすぐ出来るのでは。

あっ、そう言えば、売上が落ちてない店、ということで前述したミナミのダイニングバーのママさん、わたしが半年ぶりに行ったのに前に私が言った細かいことをかなり覚えてはりましたわ。

ママさん「そういうたらアンタこの前、ソフトバンクホークスのショート今宮の守備は2塁ベース寄りは意外と弱い、って言うてたけど観てたらホンマやな~」

わたし「えっ~! ようそんなしょうもないこと、憶えとんな~( ゚Д゚) ママさんプロ野球に全然興味なかったんちゃうかった?!」

ママさん「家で包丁持ってて小指切ったのは治ったんか~?」

わたし 「えっ~ 半年もたってる小指の傷って、ヤクザちゃうねんから、そら治っとるわっ!」

などなど。

なんでそんなどうでもええようなことをこと細かに憶えてるんやろか~?

ひょっとして顧客カルテを作って常に情報を書いてるのでは?

「自分のことを常に気にしてくれてる」というパフォーマンスがあればすぐファンは付くってことを発見しました。

そういうことが出来てない店舗はそこからなんでしょうね~(・.・)

この記事を書いたのは

せんしん経営コンサルティング 代表 桑山 吉嗣

事業資金の融資サポートが専門です。個人事業主や会社経営者の方々が、諸事情で銀行プロパー・日本政策金融公庫・信用保証協会などからの事業融資が難しい時に、全力を尽くして成果を上げる資金調達のお助けマン。開業資金の融資のご相談も多いです

経歴

  • 大阪府立大学卒業後、株式会社コンサルティングアソシエイツ(経営コンサルタント業)入社。
    中堅企業に対して、社員教育研修・営業システム・組織風土診断・人事制度等を担当者の問題意識や企業戦略 を探りながら企画提案していく営業活動を行う。
  • 1998年 株式会社東亜経営総研(会計事務所系コンサルタント会社)入社。
    中小企業に対して、財務体質改善指導を行う。(コンサルタント職)
  • 2000年 株式会社杉田総合経営センター入社。資金調達支援、人事制度(評価・賃金制度・就業規則改訂)の再構築コンサルを行う。
    (コンサルタント職)
  • 2002年 株式会社ビューコンサルタント入社。資金調達(開業資金の調達)支援、経理処理・申告書作成業務、財務改善指導を行
    (コンサルタント職)
  • 2003年 大川会計事務所入所。様々な中小零細企業に対して、資金調達(開業資金の融資相談等)支援業務、財務改善指導、起業支援コンサルテーション等々を行う。
  • 2006年 せんしん経営コンサルティング設立